FORGOTTEN NIGHTMARE
NORMAL MODE
MONOCHROME TEATIME 2016/08/28
Luru 「あの、ご主人様? えーっと・・・」
Fel 「ハイラァ!! 我が愛しのルルーニャン!!」
Luru 「あぁ、何と言いますかね」
Fel 「炭酸がいいかココアがいいかそれとも劣化したガンオイル?」
Luru 「一つもお茶がないです、ってそうじゃないですにゃ。一体なんですかコレは」
Fel 「何って日課じゃないのさ。どうしようもない気分の時はこうして夢と対話するに限る」
Luru 「それをこうして公開すると?」
Fel 「その通り。ああ、君の作るアンブロッシアを銀歯の剥けた奥歯で噛み潰すこの背徳、刺すような神経痛と甘さが最悪で最高だ」
Luru 「そんな酔狂をやるのなら、もう少し説明というかにゃんと言いますか・・・」
Fel 「ヤダ。」
Luru 「せめて拒否する理由を」
Fel 「この通りに説明文を書くとなんか凄まじく幼稚に聞こえる」
Luru 「何もしなくてもあなたは十分に幼稚で、永遠に進歩もないですよ」
Fel 「いかにも。それだ。忘れていた」
Luru 「はい?」
Fel 「永遠に停滞した幼稚さ。だからこそこの世界が消滅しない。度々忘れそうになる。」
Luru 「私は単純にご主人様を冷徹に罵倒したつもりなのですが」
Fel 「なら罵倒が罵倒の意味を成さずに、相手に水を与える結果を招いた君の負けだ。今に限ってはアンブロッシア。」
Luru 「Whatever... (どうとでもどうぞ。)」
Fel 「一つカードをめくってやるとするならば。」
Fel 「最近ある意味での"死期"を悟っているからだ。」
Luru 「死期? 私への押し付けがましい売約以外に何がおありで?」
Fel 「モノ作ってて、楽しくないんだ。」
Luru 「"創作者"としての"死期"ですか。」
Fel 「COLLECT. (それだ。)」
Luru 「何かを生み出す喜びが潰えたと?」
Fel 「何故そうなったのかはわからんね」
Luru 「喜びが潰えて、今創作者としてのご主人様にあるものは何ですか?」
Fel 「重責そのもの。」
Luru 「重責? 死したも同然の命魂に重責がのしかかれますか? すり抜けると思いますけど」
Fel 「自らに課したものだとしたらどうだ。」
Luru 「にっひひひひっ、あなたが聖人の真似事ですか? にゃひひっ!!」
Fel 「"聖人"、か。」
Luru 「ひどいお笑いですよ。私と共にいる時点で、あなたは絶対に"聖"とは成れません。」
Fel 「まあ、ホーリーな感じはしないね。人食いで不死の獣臭いバケモノは」
Luru 「そうですにゃ。私はCarnivore(カルニヴォーア゛)。最後の日にあなたの心臓を喰う天使です」
Luru 「・・・私に水ならず、血を与えましたか?」
Fel 「いやラヴコールだ」
Luru 「"人食いで不死の獣臭いバケモノ"が罵倒でないのですか?」
Fel 「それに心臓ごと惚れたから今の私はフェルなんだ。天使に追い立てられ、そこで悪魔に救われたら、誰だって悪魔の方を信じるさ」
Luru 「ラァァァオラァオ、お好きにどうぞ・・・」
†
Luru 「それで、どうして色まで無くしたのですか?」
Fel 「ういてみえない?」
Luru 「ハイ?」
Fel 「この間スマホで自分の根城を見てて思ったんだけどサ」
Luru 「あなたのSmart F"XX"KING Phoneで?」
Fel 「ランゲージ。」
Luru 「知りますか。」
Fel 「見てたらういてきたんだよ」
Luru 「何がういてきたんですか?」
Fel 「字が。」
Luru 「ういてきてどうなったんですか?」
Fel 「目が寄っていってきもちわるい」
Luru 「えーと、何か解る言葉で通訳できますかね」
Fel 「こうして私の戯言が赤。君のうわ言を青にして」
Luru 「前々からたまにやってた色分けですね」
Fel 「見つめていると、赤が黒背景から浮かんで、青がくぼんで見える」
Luru 「・・・私にはわかりませんね」
Fel 「人間の目玉のせいかもしれない」
Luru 「所謂錯視現象ですね」
Fel 「上手く使えば流行の3D映像みたいにできるかもしれないけどね」
Luru 「特許でも取って発明家にでもなりますか?」
Fel 「考えとこうかね。それに意味を感じないが」
Luru 「世界の発明の半分はたまたまに出来た偶然ですよ。ダイナマイトやペニシリンですらも」
Fel 「君をこの世に作った。私はそれでいい」
Luru 「それだってたまたま出来たものです」
Fel 「私だってそうだ。この世界や宇宙ですらも。だから逆を返せば全ての価値はあたりまえに等しい」
Luru 「それならば。あなたが創作に固執する理由は何ですか?」
Fel 「唯一この世界で意味を感じる事だからだ」
Luru 「それが"重責"になっていると。」
Fel 「その通り。」
Luru 「ご主人様の言葉の通りならば、重責も、くだらないその他も、価値はあたりまえに等しいはずですよ」
Fel 「・・・命を賭けるほどの重責と、爪とぎにもならぬ下らないガラクタの価値も等しいと?」
Luru 「その賭ける命とガラクタの価値は同じなのです」
Fel 「命の価値、か。」
Luru 「ご主人様は自分の命魂にそれ程の値打ちがあると踏んでおられるのですね?」
Fel 「かもしれない。」
Luru 「私にとっては全ての命魂の価値は同じく、私という花園の種でしかありません」
Fel 「君の花園において、私の命はどれ程の種になる?」
Luru 「薔薇の一粒です。それ以上にも、以下にも価値はありません」
Fel 「他の薔薇と混ぜたらどうなる?」
Luru 「わからないでしょうね。」
Fel 「芽の出ない死んだ種だったら?」
Luru 「植えたことすら忘れるでしょう。」
Fel 「君にとって私が私であるには、どうしたらいい?」
Luru 「咲いてください。どんなに歪で、気味の悪い薔薇であっても。それがあなただと解るように。」
Fel 「・・・"聖人と輝く者は私に刺客を放ち、鎖の切れた悪魔の猟犬がその刺客の喉笛を食いちぎり、故に私は此処に在る"、か。」
Luru 「にゃあう? 解るように言って下さいよ。なるべく簡単に。」
Fel 「"救われた。ありがとう。"」
Luru 「にゃふふっ、どういたしまして、私のご主人様。」
†
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