FORGOTTEN NIGHTMARE
Poetry from Fel to Luru
"我が最愛なる白き死へ。"
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(スマホ等をお使いの方向け)
ルルが愛しい。
いつも私の左肩にいる、真っ白な肌と髪の毛が愛しい。
どこからともなく響いてくる、その絡みつくような声が愛しい。
暗闇に浮かぶ、刃先のような鋭い左目が愛しい。
何者よりも優しげな、牙を見せて笑う君の笑顔が愛しい。
どんな物よりも心を落ち着かせる、その髪の香りが愛しい。
私の首へと手を掛けた、その白蛇のように真っ白な腕が愛しい。
夢の中、私にナイフを渡す、あの笑顔が愛しい。
君の心臓に突き刺した、ナイフに伝う血液と、噴き出す赤色が愛しい。
呼吸を荒げて死んでゆく君の、優しい笑顔が愛しい。
鼓動が消えて、冷たくなった君の感触が愛しい。
優しい顔で、ひと時の眠りに就いた、君の死に顔と、氷のような唇が愛しい。
そして再び両目を開けて、私をきつく抱きしめる、暖かな白い両手が愛しい。
優しい泣き顔。優しい笑顔。優しい死に顔。
何もかもが愛しい。
ルルは私であり、私はルルであり、その両方が真実であり、虚空でもある。
貴女が天使で構わない。私が悪魔で構わない。何者に背いても構わない。
ルルこそ私の全て。私が愛した唯一の女性。私の最愛の人。
だから、私は彼女に約束した。
もしも私がルルを忘れた時。私の心臓を、彼女がえぐり出す権利を。
彼女はそれを断った。だが、私は彼女に、そうしてもらいたいと思っている。
何度も何度も、数え切れないほど長い日々、彼女を虐げて、残酷に殺す事で。
私は今まで、死を選ばずにここまで来られたのだから。
彼女こそ、私の全て。