FORGOTTEN NIGHTMARE



diary of Fel 2019/6/21 - 蟲の国



NORMAL MODE





2019/6/21

私の創作は主に明晰夢で体験した光景を元に描いているのですが、最近興奮を感じた悪夢の目覚め際のスケッチです。ここは蟲の国でした。私一人で森のような巨大な草むらを歩いていました。私が縮んだのか、世界が大きいのか。最初に人外の女性に出会いました。



警戒しているようでこのカマキリかバッタか、そんな外骨格の蟲の姿を取りました。彼女は気品のある振る舞いと口調で私が来た理由を問いました。私が迷い込んだ者である事を伝えると、蟲の姫の姿を取りました。蟲の姫は私を抱えて飛ぶと、国へ招き入れてくれました。国民は殆どがカマキリ。



茸の民家が点在する広場を抜けると、ブロックかお菓子の空き箱のような四角い建物に案内されました。中は古い病院のようで、壁沿いに並ぶベッドには奇病で苦しんでいるカマキリ達が病床に伏していました。ふと彼女らの容態を見て、私はカマキリに寄生する「ハリガネムシ」の話を思い出しました。お尻を水につけると寄生虫は這い出してくる、と。その事を看病していたカマキリの一人に伝えると、ジャムの蓋をバスタブのようにして持って来ました。これ以上見るのは失礼だと私は病室から退出しました。まもなくして悲鳴が聞こえると、大慌てで看病していたカマキリの一人が私に助けを求めて来ました。エチケットはいいので"アレ"をどうにかして欲しいと。入ると案の定、這い出したハリガネムシに巻き付かれたカマキリの医師が叫んでいました。さながらエイリアンのようで、カマキリ全員がパニックに。私は明晰夢で持ち歩いている.45口径拳銃、M1911A1を飾りスカートから引き抜き、看護しているカマキリ達を退かせ、床に垂れたハリガネムシの一部を踏みつけて発砲し、両断しました。瞬間、医師カマキリに巻きついていたハリガネムシは痙攣して医師の体から離れました。彼らは銃声には驚きませんでした。感謝の言葉を頂きながら、私は蟲が這い出したカマキリには衰弱死の可能性がある事を思い出し、先に言うべきそれを後に言いました。幸い、その世界には砂糖水のような輸液が存在し、彼女を死なせる罪を背負わずに済みました。その時、いかにも凶悪な羽音が聞こえ、蟲の姫が病院の外で私を大声で呼んでいました。全ての窓を閉める病院のカマキリ達。私が外へ駆け出すと、4匹ほどの巨大なスズメバチとクマバチの中間のような蜂達が低速で獲物を探すように飛んでいました。蟲の姫はこの国が蜂の国と今、戦争状態であり、劣勢である事を私に説明しました。そして自らが犠牲となれば民は救われるかもしれないと。私は銃の弾倉がもう3つあるのを確認し、姫に言いました。「私を抱え、奴等より高く飛んで欲しい」と。蟲の姫は最初は迷っていましたが、騎士蜂の中に敵の将軍がいるのを見ると覚悟を決め、私を4本腕のうち2本で掴むと空高く飛び立ちました。下には逃げ惑うカマキリの少女を槍で刺し殺そうとする蜂が見えました。私は躊躇せず、その蜂に向け銃の残弾6発を1秒刻みで羽と羽の中心点を狙い撃ちこみました。



2、3発がその騎士蜂の左羽を吹き飛ばし、蜂は槍を取り落として落下していきました。落ちた蜂に向かって殺到する成虫カマキリ達に後を任せ、私は銃に新しい弾倉を装填しました。銃声で気づいた2匹目の蜂がこちらに狙いを定め、ランスを構えた騎兵のように猛スピードで突進してきます。掴まれて飛んだ状態で銃を扱うのは容易ではありません。両手でしっかりと銃を包み、銃前後の照準を合わせます。銃よりも蜂の顔が大きく見える寸前まで粘り、少し早いテンポで7発全てを連射して撃ちこみました。槍が体をかすめるも、既に落下を始めていた蜂の槍は横腹を撫でただけでした。残念ながらここで夢は覚めました。時々夢の続きを見せてくれる事がありますので、またあの国へ行ける冒険を私の明晰夢がくれるのならば、是非また彼女らの為に戦いたいですね。



END











※ この小説は、作者の明晰夢を元に再現したフィクションです。








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