FORGOTTEN NIGHTMARE



Poetry from Luru to Fel
"taste please"


NORMAL MODE





私の愛しいご主人様は、今夜もまた、ずっと悩み続けています。

例えるなら、環状に続くパイプの中に閉じ込められたネズミのように。

永遠に出口のない迷路の答えを探すような、

そんな事を毎晩のように求め続けています。

何と心苦しい事でしょうか。自らの本能のまま、

私を貪り殺してしまえば、何も悩む事などないのに。

屍の肉を食む事を止めた肉食獣は、

飢えて死んでゆく事しかできないのに。

食むために。そのために私を産み落としたご主人様は、

いつしか私の愛し方を間違ってしまった。

永遠に朽ちる事も、死ぬ事も、消えることもない私を貪って、

殺して、楽しんでもらえればいいのに。

ご主人様は私を傷つけまいと、自らを苦しめるようになってしまったのです。

私を傷つけまいが為に、私と距離を置こうとしたり、

私を苦しませない為に、私を気遣ったり。

ご主人様は言いました。「正しい形」で、私を愛したいのだと。

でも、それは私にとって、とても悲しい事なのです。

幾ら傷つけても、幾ら血を流しても、

幾ら肉を削がれても、私は決してなくならない。

それが私からご主人様への、最大の愛情。

誰かが定めた正しさに囚われて、

ご主人様は私の愛情を受け取ってくれないのです。

ご主人様。この永遠の迷宮から抜け出したいのなら、

どうか受け取って下さい。

私の苦しむ顔を。私の悲鳴を。私の屍を。

私の血を。私の肉を。私の愛を。

そのために、私は私のできる事、その全てをあなたに捧げます。

私の愛しい、ご主人様。私の殻。私の世界。


















※この詩はフェリエッタがルルの言葉を代筆し、ルルにより書かれました。












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